オーバーヒートの原因として考えられるのは、冷却水不足やラジエーターの損傷などがありますが、冷却用電動ファンの故障も考えられます。エンジンはその内部でガソリンや軽油などの燃料を爆発させることによって原動力を得るのですが、このために膨大な熱を発生させます。この熱を放っておくとやがてはエンジンを損傷させてしまいますから、何らかの方法でこれを冷却しなければなりません。
多くの場合は水を用いてエンジンを冷やし、これを液冷方式と言います。エンジンの熱を吸収した冷却水を放熱させ冷ますのがラジエーターと呼ばれる装置です。一般的にクルマの前方に配置され、外気を取り込むことで放熱しますが、より積極的に放熱させるためにモーターを用いて強制冷却ファンを置くことがしばしばあります。
このモーターが故障した場合、設計上の冷却効果が得られず、エンジンがオーバーヒートしてしまうのです。この作動不良をチェックするためにはボンネットを開けたままエンジンを動かし、冷却ファンの動作を目視で点検するより他はありません。そして動作しなければファンのモーターに電源を供給するコードの断線を疑うか、モーターそのものの故障が考えられます。恐らくその場合はモーター本体を交換することになるでしょう。